ヘルプ~心がつながるストーリー
60年代のアメリカ南部のお話。
60年代といえば、私が生まれた年代。
そんな遠くもない過去に、こんな人種差別が行われていたとは・・・
黒人の大統領がいかにすごいことか改めて思い知りました。
映画化されて話題を呼んだキャサリン・ストケットの処女作にしてベストセラー(うらやましい・・)
登場人物のキャラクター設定のうまさで、ぐいぐい引き込まれます。
黒人にふれると病気が移るからトイレを別に作る法案をつくるだの、
アフリカの恵まれない子どもたちへの慈善活動をしながら、
身近にいる黒人をしいたげる矛盾。
そして、その間違いを正そうとする白人へのいじめ。
家事や子育てをすべて黒人メイドに押し付けて、
遊んで暮らす白人専業主婦たちの日常。
驚きました。
80年代にアメリカ南部にホームステイして、人種差別の洗礼を受け、
独自の言葉で話し合う大学寮の黒人たちと、黒人にも白人にも受け入れられない
ハーフの苦悩などを目の当たりにし、未だ、黒人メイドを雇うお金持ちのおうちの
パーティに参加した経験もあったけど・・・
その20年前は、ここまで人種差別があからさまだったとは。
この本は、アメリカンヒストリーの恥部を描きながらも、
ユーモアを忘れず、愛情たっぷりに描かれているので、
暗い気持ちにならず、はらはらしつつも、楽しく読めます。
借りたい人は、文庫本で二冊。
お貸ししますよ。